ISBN:4106027704 単行本 伊坂 幸太郎 新潮社 2002/07 ¥1,785

実はこれ、最後まで残してたんだ。
伊坂作品大好きで割と読んでるけど、どう聞いても
この作品のあらすじが一番面白そうだったから。

昔チュンソフトの『街』ってゲームがあって
8人の物語がちょっとずつリンクして作用しながら進んでいく。
そのゲームを思い出しましたね。

売れない女性画家と大金持ち傲慢画商。
カウンセラーと愛人サッカー選手。
リストラ中年と、犬。
一匹狼の泥棒。
赤い帽子の宗教青年。

記念日に登るタワーと、街角で好きな日本語を書いて貰う留学生を
軸に物語と人物が交差する。

時間軸が最後の仕掛けというんでしょうかね。
プロットがしっかりしてるからこそ矛盾が生じない(例えば黒澤)
巧妙なつくりの小説だったよー。
本当、今活躍してる作家さんの中で出版界の良心と呼びたいくらいですよこの人は。

この人の本なら、と信用して購入まで出来ちゃう数少ない作家さん。
今回も面白かった。残していた甲斐がありました。うん。

★★★★☆

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