女学校

2005年9月1日 ★★★☆
ISBN:4838714238 単行本 岩井 志麻子 マガジンハウス 2003/02 ¥1,470

うわぁ、綺麗な装丁だねぇ。
えーと、美しい裕福な若妻二人が紅茶を飲みながら
自分の女学校の話をする短編集。

年上の花代子は、妹のように可愛がっている月絵に
「本当は私たちは薄汚い娼婦で女学校なんて妄想なのです」だとか
監獄のような女学校に行ってたと話したり

そのたびに花代子は入り込んでしまって
自分達が娼婦である姿を見たり人形の自覚を持ったりするのだが
「ほんとうに花代子さんはすぐお話の中に入ってしまうんですもの」
と月絵に笑われて美しい若妻に「戻ってくる」。

月絵の話し方が妖艶で淫靡で女にしか見えない女の色気がたっぷりで
読んでるうちに自分もなんだかそわそわしてくる。
普通に道を歩いてるだけなのに
「本当はそこ、地面じゃないんですよ。
あなた、一本のロープの上を歩いてらっしゃるんですわ」
といきなり言われる気分。
そしてそのロープが見え始めてしまう気分。
そして、ロープから落ちたら後は自分でもどうなるのかわからない気分。

自分は何者なのか何を信じればいいのか
ぐらぐらする気分を味わえるだけでも充分読む価値あり。
まぁ、途中でだるくなってくるのは敢えて否定しない。


★★★☆

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