ISBN:4286000001 単行本 山田 悠介 文芸社 2005/08 ¥1,155

来ましたよ僕らの山田悠介君!!
(過去ログ:http://diarynote.jp/d/71158/20050902.html
  http://diarynote.jp/d/71158/20050731.html)

んーとね。
ぶっちゃけちゃうとね。

そんなに悪くなかった。少なくとも上の2冊より全然マシ。
自殺スイッチを埋め込まれて収容所で生活する子供が3人。
で、その看守が主人公。
主人公は3人を脱走させる訳ですな。

ワンアイディア物だけど、設定自体は決して悪くない。
例えば伊坂幸太郎がこんな設定で書いた日にゃどんな傑作が生まれるのかしら、と思えるほどだよ。

でもなー。それだけなんだよなー。
文章が!だって文章が!!
例えば
政府は無差別に選んだ子供に、五歳で心臓の手術を受けさせる。

無差別より無作為じゃないかなぁ。どっちかと言うと。

しばらく口を閉じたままであった……。

『しばらく口を閉じたままだった。』
これでいいじゃん?であった、って言われましても。
なんで…多用するのかといわれたら答えは簡単。

物と物の間隔を文章で上手く書き表せないからだ。
“ぼかし”なのだよ“ぼかし”。

でもこの…。本当に沢山出てくる。
初めの頃の作品よりもしかして増えてる?
ぼかしが多用されすぎた絵はなんか輪郭があやふやになってくるのと一緒で凄く読みづらくなったのは否めない。

ちなみにこの本はサゲ(落語愛好者なのでこっちを使わせてください)が上手だと言う評判らしかったが
こっちは私にも想像出来たので、多分割と小説慣れしてる人には物足りないかも。

いや、でもこんなぶちぶち言ってみたけど
私割と楽しんでこの本を読んでましたよ!
凄いな。山田悠介、もしかしたら成長してるのかもよ。



★★★(頑張りました!!)

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