三人噺 志ん生・馬生・志ん朝 (文春文庫)
2007年8月20日 読書 コメント (4)
ISBN:4167679663 文庫 美濃部 美津子 文藝春秋 2005/11/10 ¥530
落語愛好家で良かった、と思う瞬間ってのがある。
何気なく寄った寄席のトリで。
チケットを3ヵ月前から取って楽しみにしていた地元のホールで。
顔見知りの蕎麦屋のイベントで。
そこで噺家さん達の『良い時期』に触れる一瞬だ。
この良い時期ってのも本当人それぞれで
二つ目の勢いの良かった頃が実は一番フラの良い部分が活かされてた、なんてのもあるし
勿論歳を取れば取るほど良い枯れ具合になってくる人もいらっしゃる。
噺家さんが歳を取っていくのと同じ様に自分も同じ様に歳を取っていく。
良い時期も良くない時期も、同じ様に見ていける。
受け取る方の好みも変わってきたりして。
さて、そこでこの本。
志ん生、馬生はもう仕方ないとして、
志ん朝は私にも見られる可能性があったんですよ。
だって2001年まで生きてたんだもの。落語に丁度興味を持ち始めて少し経った頃。
どうして見ておかなかったんだと地団太を踏みたい気持ちだが、
いやだってそんなに早く居なくなると思わなかったんだものなぁ。
お陰で今の私が触れられるのは
映像を残すのを好まなかった志ん朝が
それでも周囲に説得されて残し始めた映像たちと
妙に色っぽい声で話される音源だけ。
『生きてるうちにもう一度見ておきたかった』
これ、実は全ての落語愛好家さんの誰もが持ってるものなんじゃないかしらね。
対象は誰であれ。私は圓生の高座をどうしても見たかった。無理だけど。
だから今現存(動物か)の噺家さんで、少しでもみたい人の高座は
ついつい無理をしてでも見に行ってしまう。
『今の談志は良くない。昔の談志は――』という話を聞いても
それでも私は談志に触れに、わざわざ県外まで出向く。
で、まんまと感動して帰ってくる。
『談志なんか好きじゃないやい』と言いつつ、それでもヒト世代を担った名人である事をしみじみと実感する。
実際の高座を見ないとまた伝わらねぇのよ。この落語って奴は。
美濃部家の長女の妙にあたたかい目線で見た志ん生、馬生、志ん朝。
噺家としての父・弟達を語れる人は数多くいるだろうが
家族としての志ん生、馬生、志ん朝を語れるヒトは多分このヒトだけだろう。
『芸は人なり』は先代の小さんのモットーであったが
まさに三種三様、芸と人柄がリンクする。
亡き名人を見られなかった、と地団太を踏むよりは
今『良い時期』の噺家さんに触れたい、と最近は思う。
志の輔、談春、菊之丞、雲助、白鳥、竜楽。
まだまだ一杯いる。しばらくは飽きないだろうと思うのですよ。
小三治引退説が気になるところです。
★★★★(読書感想文じゃねぇじゃん)
落語愛好家で良かった、と思う瞬間ってのがある。
何気なく寄った寄席のトリで。
チケットを3ヵ月前から取って楽しみにしていた地元のホールで。
顔見知りの蕎麦屋のイベントで。
そこで噺家さん達の『良い時期』に触れる一瞬だ。
この良い時期ってのも本当人それぞれで
二つ目の勢いの良かった頃が実は一番フラの良い部分が活かされてた、なんてのもあるし
勿論歳を取れば取るほど良い枯れ具合になってくる人もいらっしゃる。
噺家さんが歳を取っていくのと同じ様に自分も同じ様に歳を取っていく。
良い時期も良くない時期も、同じ様に見ていける。
受け取る方の好みも変わってきたりして。
さて、そこでこの本。
志ん生、馬生はもう仕方ないとして、
志ん朝は私にも見られる可能性があったんですよ。
だって2001年まで生きてたんだもの。落語に丁度興味を持ち始めて少し経った頃。
どうして見ておかなかったんだと地団太を踏みたい気持ちだが、
いやだってそんなに早く居なくなると思わなかったんだものなぁ。
お陰で今の私が触れられるのは
映像を残すのを好まなかった志ん朝が
それでも周囲に説得されて残し始めた映像たちと
妙に色っぽい声で話される音源だけ。
『生きてるうちにもう一度見ておきたかった』
これ、実は全ての落語愛好家さんの誰もが持ってるものなんじゃないかしらね。
対象は誰であれ。私は圓生の高座をどうしても見たかった。無理だけど。
だから今現存(動物か)の噺家さんで、少しでもみたい人の高座は
ついつい無理をしてでも見に行ってしまう。
『今の談志は良くない。昔の談志は――』という話を聞いても
それでも私は談志に触れに、わざわざ県外まで出向く。
で、まんまと感動して帰ってくる。
『談志なんか好きじゃないやい』と言いつつ、それでもヒト世代を担った名人である事をしみじみと実感する。
実際の高座を見ないとまた伝わらねぇのよ。この落語って奴は。
美濃部家の長女の妙にあたたかい目線で見た志ん生、馬生、志ん朝。
噺家としての父・弟達を語れる人は数多くいるだろうが
家族としての志ん生、馬生、志ん朝を語れるヒトは多分このヒトだけだろう。
『芸は人なり』は先代の小さんのモットーであったが
まさに三種三様、芸と人柄がリンクする。
亡き名人を見られなかった、と地団太を踏むよりは
今『良い時期』の噺家さんに触れたい、と最近は思う。
志の輔、談春、菊之丞、雲助、白鳥、竜楽。
まだまだ一杯いる。しばらくは飽きないだろうと思うのですよ。
小三治引退説が気になるところです。
★★★★(読書感想文じゃねぇじゃん)
コメント
はじめまして。リンクさせて頂きました。
宜しくお願いします。
もう既に記憶が曖昧だし、昔付けていた寄席ノートも今は不明。。。ひょろっと出てきてくれないものかのぉー。。。。
好きな噺家のセンスがやっぱ似てますな。。。
小三治気になるね。。。ホント。
俺の中では、最後の名人。。。
円生の芸は円楽引退の今、古典を解禁した円丈師に面影を見たい。。。
円丈の古典聞く会なんぞがあるらしいから、行ってみたいね。
では秘密の方で(゜∀゜)
>>師匠
圓生の芸の面影を円丈に見ることは私はありませんが
でも白鳥には円丈の面影がありまくりですね。笑
私の財産は志ん生、文楽、円生を生で見たことです。
かといってそれほどの歳ではありません。
小三治引退節はじめてききました。
小さん襲名を持って行かれてショックだったのかな。